艸居

展覧会 exhibitions

「新たな想い」小島 憲二

2015年2月6日(金)~2月22日(日)

作家在廊予定:会期中 2月6日、7日、8日
旅を枕に新しい俳諧の道を求めて旅をし続けた芭蕉に思いを重ね、本流伊賀焼を作り続けてきた小島憲二が、立体造形の世界に向かって新しい旅を始める。この企画展がその一歩だそうである。 伊賀信楽の山から原土を掘り出し、伊賀焼に使う蛙目土と混ぜ、紐作りで形を作る。
そのせいか、 丸味や曲線がソフトで作品全体に温かみと穏やかさを感じさせている。 色柄付けは成形後半乾きになった頃を見計らって、釘で線刻し、その溝に顔料で、色象嵌をしている。 素焼をしてから彩色を施す。手の込んだ仕事である。だが象嵌ゆえ線が太く、釘で引っ掻く線には 土と共鳴した動きを感じさせる。線描では表せないあどけなさ、自然な味がこの線にはある。
繭玉を立てれば芭蕉の旅する姿を、繭玉を横たえれば旅する芭蕉の寝姿を想起させる。椅子によく似た造形は、寺院の階段に佇み足を休ませ静かに考え込んでいる芭蕉かと思う。また繭玉を二つ重ねれば男女の艶っぽさが出現する。芭蕉にも寿貞という女性がおったそうである。
この度の作品はいろいろな思いを起こさせる、楽しくて愉快な立体である。
                 伝 広志(ギャラリスト) 

展示風景

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