艸居

展覧会 exhibitions

「PAESAGGI COMUNI ( common landscapes )」Fausto Salvi

2015年9月4日(金)~9月20日(日)

オープニングレセプション: 9月4日(金)17:00 ~19:00
 この度、現代美術艸居はイタリア人陶芸家Fausto Salviによる個展「PAESAGGI COMUNI」を開催致します。Fausto Salviはイタリアのスタジオを拠点に、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界各国で活躍している作家です。マジョルカ焼というイタリアの伝統的な焼き物の技術を使い、そのなめらかな陶をキャンバスとして社会の矛盾や皮肉を描いています。パズルのように組み立てられた陶板や、色鮮やかでポップなモチーフの立体作品が特徴です。インスピレーションの源となっているのは日常の世界とその不条理な矛盾。ポップで可愛らしいデコレーションでカモフラージュされた暴力的でグロテスクな絵の中に、人々の家や生活を描くことでその皮肉を表現しています。
 展覧会タイトルとなったPAESAGGI COMUNIとはイタリア語で「日常の風景」を意味しています。様々な文化を生み出す国ごとの固有の違いは、時代が移り変わるにつれて、次第に小さくなり、同化していると彼は言います。街に立ち並ぶ商店は大きく変わり、食習慣やファッションが次第に欧米化し、さらには社会問題までもが同一化しています。それはここ京都でも言えるのではないでしょうか。交通やインターネットの発達により、世界はより密接に関係しあい、誰しもが遠く離れた場所を訪れ、その地にいる人々と様々なことを共有することが可能になりました。それは我々の好奇心や渇望を満たし、新たな土地や人々との出会いを与えてくれます。しかしその反面、社会は固有性を失い、どこの地を訪れても同じような光景を目にするようになりました。その奇妙な現代社会の様子を彼は「日常の風景」と表現しているのです。
 今展では、旅がもたらす喜びを表現したFLYLOVEや、監視カメラが蔓延する社会の滑稽さを表現したSPYGAME、隔絶された家や人々の様子を表現したVILLAGEなど、Salviの視点が捉えた様々な社会問題を問いかける、力強い作品が揃っております。ぜひ一度この機会にご高覧賜りますようお願い申し上げます。 

展示風景

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